終局までの Leela の判定結果を得る

Leela のメニュー『Analyze』『Analysis Window』と『Show Histogram』から,下図に示すような図が得られます。


表示されている勝率ヒストグラムを見ると,最初は少し悪くなったり良くなったりでしたが,中盤以降はもたついて黒はかなり劣勢になります。しかし,大きなチャンスが訪れますが,最初のチャンスは気づかないうちに通り過ぎ,コウ争いからめぐってきた起死回生の局面では決定打の手順を誤り,最後は攻め合い勝ちを見逃して,勝機が去りました。

最初の奇手をめぐっての複雑な攻防

左側の「次の一手の棋譜並べ」の手数窓 No. に「30」を入力し,「Jump」ボタンを押したときの局面を下図に示します。白「22」から「24」と右辺に潜り込んできた奇手に対して,黒は白を右辺に押し込みました。そして,白が「30」とツケを打った局面です。


実践では,黒はツケてきた白「30」を取り込んで,白は中央へ飛び出しました。もし,黒がツケてきた白石の下側に抑えると,どうなるか検討した一例を下図に示します。この手順は複雑で,このように打つのは難しいですが,いずれにしても,白は中央へ出ていく展開になりそうです。


左辺と左下の白石つながり具合の弱点を見抜けず

左側の手数窓 No. に「56」を入力し,「Jump」ボタンを押したときの局面を下図に示します。
勝率ヒストグラムを4分割するような位置に見える縦線が現時点を示しますが,この局面を境に,黒の優勢から白の優勢に変わるところです。このとき,盤面上で赤く輝いている左下隅に,白石のつながり具合の弱点がありました。


上述の弱点を睨んで,黒 ① から ⑦ のように,順番にキリを入れれば,Leela の想定展開図が示すように,左下隅で大きな利益を得ることができました。これを見落として,黒は劣勢のまま中盤を迎えます。


左上のコウ争いから起死回生の局面へ

左側の手数窓 No. に「134」を入力し,「Jump」ボタンを押したときの局面を下図に示します。黒「131」は左上の白「130」に対するコウ材ですが,白はこれを受けずに白「132」とつないでしまいました。そこで,黒「133」に切ることができて,起死回生の局面を迎えました。


例えば,下図に示す Leela の想定展開図が示すように打てば,中央の白をとることができました。黒「135」を打つ前に,熟考すべきでした。


左側の手数窓 No. に「170」を入力し,「Jump」ボタンを押して見ましょう。白「170」とコウを取り返してきた局面です。実践では,コウ材として,黒「171」と左辺のキリを打ちました。ここは,下図に示す Leela の想定展開図が示すように打てば,左辺の白をとることができました。もし,コウが続くようであれば,中央の白をとることができたでしょう。